教養は児童書で学べ/出口治明

 

教養は児童書で学べ (光文社新書)

教養は児童書で学べ (光文社新書)

 

 

 出口さんが語る児童書の魅力です。

 児童書って、メインのターゲットはコドモなのですが、カンタンだとか内容が理解できるように、かつ飽きっぽいコドモが最後まで付き合えるように、かなり内容や装丁などに工夫が凝らされているようです。

 ワタクシもムスメたちが小さい頃に読み聞かせをしてて感心した記憶がありますが、出口さんは想像もできないような深い読み方を提示されています。

 例えばワタクシもムスメに読んだ記憶があるエリック・カールの『はらぺこあおむし』ですが、食べ過ぎたらお腹が痛くなるよ、と言う警告とか、幼虫が成虫になっていく過程等も含めて進化論的なことを紹介されているところとか、全宇宙がこの本の中にあるとまでおっしゃられています。

 その他にも幾多の名著の紹介をされているのですが、児童書の中では、友情や裏切り、思いやりや市の悲しみと言った、人生のあらゆる局面で接するんだけど、コドモがナマで接するにはちょっとヘビーなんだけど、いずれ学ばなければならない人生の局面を、その年代なりに受け入れられるであろう表現で提示されていて、徐々に人生の真実を学ぶ助けになっているようです。

 もうウチでは、ムスメたちに読み聞かせをする年代はとっくに過ぎてしまいましたが、これからそういう機会がある人には、是非この本を読んだうえで、読み聞かせをしてあげて欲しいものです。