新装版台湾人と日本精神/蔡焜燦

 

新装版 台湾人と日本精神: 日本人よ胸を張りなさい

新装版 台湾人と日本精神: 日本人よ胸を張りなさい

 

 

 司馬遼太郎さんの『街道をゆく』シリーズの『街道をゆく 台湾紀行』でも案内役として登場した“愛日家”蔡焜燦さんがご自身の半生と日本と台湾の関わりについて語られます。

 よく同じく日本に占領されていた韓国と台湾の日本への友好感の差が言われますが、この本を読むとなぜそうなるのかよくわかります。

 元々台湾人というのは中国の福建省から来た人が多くて、日本が統治する以前は清が統治していたとはいうものの、台湾人自身の中国への帰属意識はなく、寧ろ蒋介石の国民党政府が台湾を統治し始めてからの印象が悪く、日本統治時代の手厚い施策をなつかしむ人は多いようです。

 当時の日本の国家予算の大きな部分を費やしてのインフラ整備もそうなんですが、日本が台湾で施した教育が台湾人の考え方の重要な部分を構成しているようです。

 特に「公」の意識というのが、その後統治することになる中国人との大きな差で、蔡さんはそういう「日本精神」を台湾に根付かせてくれたことに感謝を表明される共に、日本人にもそういう部分に誇りを持って欲しいとおっしゃいます。

 最近、台湾が旅行先として人気を集めていますが、こういうことを知った上で訪れると、もっと親近感がわくのかもしれません。

 司馬さんの『街道をゆく 台湾紀行』も読んでみようかと思います。