野球小僧の戦後史/ビートたけし

 

野球小僧の戦後史――国民のスポーツからニッポンが見える

野球小僧の戦後史――国民のスポーツからニッポンが見える

 

 

 ビートたけしさんがご自身の半生と戦後史を野球を手掛かりにして語られます。

 たけしさんはワタクシより2世代ほど上になりますが、その頃の娯楽って見る方にしても、する方にしても野球が堂々たる王座にあったことは間違いないようで、原っぱでの草野球とか、長嶋、川上といった名選手の系譜を懐かしく読みました。

 最近でこそ娯楽全般に限らず、スポーツも選択肢が大幅に広がって、野球が世相を代表する場面も少なくはなってきましたが、かつては世の中の動きや、そこに生きていた人たちの考え方にも大きな影響があったんだなあ、ということを改めて思い起こさせられます。

 たけしさんの軽妙な筆勢に、軽く読めますが、非常に深い戦後風俗史ともいえる内容になっているんじゃないかと思います。