人生100年時代のおカネの不安がなくなる話/竹中平蔵、出口治明

 

 

 出口さんが竹中先生と近未来の日本の社会のあり方について語られます。

 最近、平均寿命が100歳に届く勢いで伸びているということで、それに向けたライフスタイルの変革を提唱する本が増えてきていて、このブログでもいくつか紹介してきたのですが、タイトルだけみるとこの本もそういう趣旨に思えますが、個人のライフプランというよりも、それをとりまく日本の社会の在り方に関する考察と提案といった感じの内容です。

 道州制とか定年制の廃止とか、平均寿命100歳社会に向けた制度面での提言もされているのですが、日本人のマインドに関する指摘も多く見られます。

 というのも日本人ってどうしても“お上”の意識が強くて、何かを改善するにしても、個人が自律的に、というよりも、お上が何とかしてくれるんじゃないかという意識がどこかにあって、主体的な行動につながらないことが多いようです。

 ただ、平均寿命100歳時代になると、そういった制度設計が追い付いてこない可能性もありますし、嗜好の多様化などもあって、自分が望むような状況にならない可能性も高そうです。

 だからこそ、ちゃんと自分がどういう方向に行きたいのかということと、それに向けてどうやっていけばいいのかということを、自律的にちゃんと考えて行動することが、以前にも増して重要になってくるようですよ。