「全世界史」講義I/出口治明

 

「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史

「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史

 

 

 世界史に造詣の深い出口さんが、通史的に世界史を語られた本の前編です。

 ワタクシ自身、高校の時に世界史を履修せず、その後も知識の補充をしてこなかったこともあって、著しく世界史の知識に欠けていることが大いなるコンプレックスとなっているのですが、それを払拭すべく、この本を手に取ってみました。

 Amazonの書評などでは、あまりに駆け足みたいな評価もありますが、個人的にはそれくらいのレベルで充分だったりしますし、それでもなかなかついていきにくい部分が、正直あったりもします。
 
 ただ、単なる教科書的な記述だけじゃなくて、経済的な側面に重点が置かれていたり、最新の研究の成果が盛り込まれていたりと、初学者にとって非常にありがたいモノとなっています。

 特に、文字の発明の意義と、3大宗教の性格の違い、イスラム教の先進性についての内容が意義深いモノに感じます。

 それと特に古代のところで、意外と相互に影響しあっていたんだなということと、日本ではとかく突然変異的に感じられるモンゴル帝国が、かなりの先進性と必然性をもって表れていたことに驚かされました。

 ワタクシのような初心者にはモチロンですが、世界史を学び返すという意味でも、格好の書籍かも知れませんね。