誰も教えてくれない大人の性の作法/坂爪真吾×藤見里紗

 

誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)

誰も教えてくれない 大人の性の作法(メソッド) (光文社新書)

 

 

 数多くの性関連の著書を出されている坂爪さんが、性教育者として活動されている藤見さんが共著されたモノです。

 この本は、マトモな性教育を受けていない最後の世代である30歳代半ばの世代をメインのターゲットとされていて、セックスを語るというよりも性に対峙する“姿勢”を教えるといったスタンスの内容と言えそうです。

 性教育と言っても、従来的な大半の人が結婚するというライフスタイルを前提としたものの有効性がアヤシイものとなってきており、男性向けとしては既婚-未婚、雇用の正規-非正規という2つの軸で4分割して、橋爪さんが語られているのですが、必ずしもパートナーがいることを前提にしない考え方もあるということを念頭に置いておくべきことを語られているのが印象的です。

 女性向けには藤見さんが女性向けのパートを語られているのですが、従来の生命倫理に基づくものではなく、例えば出産直後のセックスの危険性やヘビーな生理痛への対処、セックスを強要するパートナーへの対応の方法など、起こりがちなケースへの具
体的な対応法について教えないといけないんではないか、ということを提唱されて言います。

 確かに、草食系男子の増加など恋愛のカタチが大きく変わっている中、画一的な“性”のイメージが邪魔になっていることがよく理解できる内容となっています。