職業としての地下アイドル/姫乃たま

 

職業としての地下アイドル (朝日新書)

職業としての地下アイドル (朝日新書)

 

 

 実際に地下アイドルとして活動しなたらライターとしての顔持つ方が書かれた“地下アイドルの実態”です。

 “地下”なんて言うもんだから、やっぱりちょっとアヤシげなニオイを感じていたのですが、元々テレビ等で活動するメジャーなアイドルと比較して、蔑称的に使われ始めた呼び名だったのが、AKB48の出現をキッカケにファンと触れ合えるアイドルという側面がクローズアップされて、むしろアイドル自身とファンの双方が積極的に“地下に潜る”傾向も見られて現在に至っているようです。

 狂信的なファンがライブ活動をしていた女性を刺傷した事件があったことから、こういう地下アイドルを追いかけるファンを危険視する傾向もありますが、寧ろほとんどのファンがかなり(ワタクシなどから見ると不自然に)紳士的なようです。

 まあ、現役の地下アイドルが書かれた本だということで、自分達やファンを悪し様には言えないという側面もありつつ、思ったよりずっとポジティブな存在みたいです。

 本筋からは離れるのですが、この姫乃さんの本の構成力や取材力は、これまでこのブログでも社会学関連の本を取り上げましたが、アンケートでの質問における設問設定など、本格的な社会学的手法が垣間見られて、その才女ぶりに驚かされました。