世界史のなかの昭和史/半藤一利

 

世界史のなかの昭和史

世界史のなかの昭和史

 

 高校で「歴史総合」という日本史と世界史を融合した科目が必修となることを受けてか、日本史を世界史の観点から見るという趣旨の本が増えていますが『昭和史』の半藤さんが世界史からみた昭和史を語ります。

 といいたいところですが『B面昭和史』でもすぐに“A面”に脱線したがる悪いクセが、世界史を語っていたかと思うとすぐに“昭和史”に偏るというカタチで現れています。

 一応「世界史」ということで、スターリンヒトラーの行動を軸として日本との関係を紐解くといったことを中心に据えられているのですが、すでに半藤さんもお歳を召されて『昭和史』のようなカチッとしたものを書く気力は最早無いようで、『世界史のなかの昭和史』というキーフレーズに沿って昭和史を編年体で語られるといった感じです。

 一応“昭和史”に戻るとはいうものの『昭和史』『B面昭和史』で扱ったトピックは極力避けるというルールを課しているとのことで、でも却ってわかりにくさにつながっている気がします。

 あくまでも『昭和史』『B面昭和史』を読んだ人がこぼれ話的に読むことを想定しているようです。