子どもの教養の育て方/佐藤優、井戸まさえ

 

子どもの教養の育て方

子どもの教養の育て方

 

 

 先日『不安な未来を生き抜く最強の子育て 2020年からの大学入試改革に打ち勝つ「学び」の極意』を紹介した「知の怪人」佐藤優さんと井戸さんの共著が他にもあったので手に取ってみました。

 どっちかというと『不安な未来を生き抜く最強の子育て』が副題にもあるように2020年からの大学入試改革に対応するという要素があるのですが、こちらの方がもっと根源的な内容に触れられています。

 「教養」とありますが、もっと広い意味で子どもの人格形成について親がどのようにコミットして行くのかという内容と言えると思います。

 そもそもじゃあ、子供にどんな「教養」を身に付けさせるかということなのですが、ゲームやスマホはどうする!?とか、私立の学校に行かせるべきなのか!?といった、そういうお年頃の子供を持つ親御さんが直面する悩みへの処方箋も提供されていますが、もっと高い概念での「教養」ということで「如何に子供を信頼される人に育てるか?」ということが長い目で見た時の主眼であり、そのためには「想像力」であったり、「ユーモア」を兼ね備える必要があり、その基盤となるのが「教養」なんだということです。

 さらにそういった「信頼される子ども」を育てるために「母親となること」の意義について角田光代さんの『八日目の蝉』を題材にして語られます。

 ということで子どもの全人格面を対象とした深遠な「子育て論」なんですが、お二方のスコープにはおとーさんの姿がまるで見えないのですが…(泣)