孤独の価値/森博嗣

 

孤独の価値 (幻冬舎新書)

孤独の価値 (幻冬舎新書)

 

 

 隠居状態の“元”作家の森さんが“孤独”を語ります。

 東日本大震災以降、“絆”ということでやたらと人とのつながりが重視されてきましたが、その反動なのか、最近“孤独”をテーマにした本が目に付くようになっている気がします。

 森さんは会社勤めから作家になり、近年はそれも引退されて“隠遁”生活を送られているということで、あまり人とも会わなくなっているとのことなのですが、だからといって不便を感じることはないとおっしゃいます。

 多くの日本人は孤独が寂しいモノであり、寂しいということはよくないことだという刷り込みをされており、孤独を避けようとする傾向が強いようです。
 
 でも以前このブログで紹介したいくつかの孤独に関する本が、孤独な時間をもって自己を振り返ることの意義を語られていましたが、森さんも同様のことをおっしゃっていて、さらには多くの芸術は孤独がもたらしたモノだと指摘されます。

 まあ皆が芸術家になるワケではないのは確かなのですが、時折深い思索をするようにしておかないと、いざという時にロクにモノを考えられないようになるリスクをアタマに置いておいた方がいいかも知れませんね。