高学歴モンスター/片田珠美

 

高学歴モンスター: 一流大学卒の迷惑な人たち (小学館新書)

高学歴モンスター: 一流大学卒の迷惑な人たち (小学館新書)

 

 

 先日“忖度”を精神医学の観点から語られた『忖度社会ニッポン』が面白かった片田さんの著書に“高学歴”の人が暴走する現象を精神医学の観点から語られた本を見つけたので手に取ってみました。

 2017年に日本を席巻した「ちーがーうーだろおー!?」の豊田真由子元議員の問題がありましたが、ああいう高学歴できらびやかな経歴を持つ方々が、なぜああいう風に暴走してしまうのかということを分析されています。

 ああいう人たちは自分は“エラい”のだから他の人よりも優遇されて当たり前という、傍からみれば根拠の薄い「特権意識」を持っていることが多く、それが満たされないと激昂してしまうことがあるということなのですが、そういう人たちは著しく自己愛が強いことが多いということです。

 豊田元議員も事件が発覚した後、他人に原因を求めて、あたかも自分が被害者であるかのような釈明をしていたことでわかるように、周囲が何を言っても聞く耳は持たないということのようです。

 不幸にしてこういう人が周囲に、特に上司になった場合には来るべき反撃の機会のために、豊田元議員の秘書が会話を録音したように証拠を日々蓄積しておくしかないようです。

 そういう人たちは「無自覚」なので、こういう本を読むことはあり得ないと、この本の中でもおっしゃっているのですが、高学歴という自覚のある方がこの記事を見られていれば、他山の石としてこの本を手に取る意義があるのかも知れません。