歴史と戦争/半藤一利

 

歴史と戦争 (幻冬舎新書)

歴史と戦争 (幻冬舎新書)

 

 

 『昭和史』の半藤さんの著書なのですが、これまでの著書の戦争に関するフレーズを集めた本です。

 あとがきでこの本ができた経緯を紹介されているのですが、馴染みの編集者が半藤さんに、これまでの著書から戦争に関して書かれた内容を集めた本を作りたいということで持ち込まれたようで、最近著書でも加齢による根気の減退を打ち明けられている半藤さんは、とても自力ではムリだということで、これまた馴染みの編集者に白羽の矢を立てて、その役を委ねてこの本ができたということです。

 個人的にはこういう過去の著書のエッセンスを集めた本に結構強い違和感を感じるタチで、しかもそのエッセンスの抽出を他人に委託したということで、かなり興が削がれます。

 さらには編集側にも、“戦争”というキーワード以上の思い入れが感じられず、半藤さんの名声に寄りかかった安易な編集だなあという印象が否めないところで、購入を迷われている方には、これまである程度読んでいる方だと不要ですよ、と言いたいところです。