レジリエンス/吉田麻也

 

吉田麻也 レジリエンス――負けない力 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

吉田麻也 レジリエンス――負けない力 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

 

 

 ブラジル、ロシアW杯に出場し、プレミアリーグで活躍する日本代表DFの吉田麻也選手のバイオグラフです。

 実はこの本元々英国で出版のオファーを受けたということで、どうせ書くのは日本語なんだから日本でも出版しちゃえ!ということで出版されたと言うことのようです。

 ということで、書かれている内容としてはほとんどがプレミアリーグでのことで、日本代表としての活動についてはあまり触れられていません。

 “レジリアンス”というのは忍耐力みたいな意味合いのようで、毎年のようにライバルとなる強力なセンターバックが移籍してきてポジション争いを強いられる苦闘とその中での葛藤が語られます。

 その苦境を乗り越えて、2017/18シーズンにはキャプテンとしてシーズンを通してレギュラーとして活躍し、ロシアW杯での決勝トーナメント進出にも大きく貢献することになるのですが、2018/19シーズンでは再びベンチ入りもままならない境遇を強いられています。

 サウザンプトンという、選手にしろ監督にしろ育てて売るというビジネスモデルを取っているチームだからこそ、監督も自分の色を出すために昨年までの主力を意味もなく干すということもあるようで、日本代表での新たなキャプテンと目される吉田選手には、そういった逆境を乗り越えて、再びプレミアリーグで存在感を示してもらいたいところです。