オリジナリティ/本田直之

 

 

 かなり久々に本田直之さんの本を紹介するのですが、ブレイクした当初の“レバレッジ”シリーズのようなド直球の自己啓発系ビジネス本からは、ノマド系を強調し始めた頃から書かれなくなったようで、この本も一応ビジネス書のフレーバーは残しつつも、タイトル通りオリジナリティがあるモノとなっております。

 この本はシェフや日本酒の杜氏、農家の人などといった職に関わる著名な日本人15人を取り上げられていて、その人たちの成功への道筋こそがAI時代を生き抜くヒントになるんじゃないかと言うことでまとめられた本なのですが、そのシェフや杜氏などを紹介するページは、それだけ読めば単なるグルメ本としても楽しめます。

 タイトルが『オリジナリティ』となっていて、副題が『全員に好かれることを目指す時代は終わった』ということなのですが、それぞれのシェフ達が、かなり偏りのある取組をされていて、結局それが故に成功を掴むことになるのですが、その過程で、いわゆる“業界の常識”みたいな“壁”を打ち破る激しい葛藤があったということで、その葛藤こそが『オリジナリティ』を生み出す源泉とも言えると指摘されており、AI時代のビジネスにおいても同様のことが言えるのではないかとおっしゃっています。

 そんな中で、如何に自分独自のこだわりを持つことができるかということがかなり重要なのですが、なかなかそこまで突き詰めて自分のこだわりを考えた人って、実はあんまりいなくて、結構慣習だったり、周りに流されたりして、こだわり通せる人は少ないのでしょう。

 そういうところを考えることこそが、AI時代を生き抜く第一歩なのかも知れませんね。