日本にいるといつ中国経済が破たんするかと言った論調の報道がいつまで経っても続いていますが、それってホントにそうなんだろうか、と個人的にはいつもタップリとマユにツバを塗って聞いていたりするんですが…
この本では、アリババやテンセント、百度といった中国を代表する…どころか、今では世界を席巻するようにすらなった…企業の生い立ちを追い、なぜ中国が世界経済で重要な地位を占めるようになったのかを紹介されています。
この本で紹介されているどの企業も、これまで満たされてこなかった顧客ニーズに素朴に向き合い、従来のしがらみや制約に囚われないビジネスモデルを実現したが故に、中国国内に留まらず、国際的な巨人である、Google、Facebook、Uberなどといった企業に対抗して行けているんでしょうし、正に彼らのやっていることって“イノベーション”そのものだと言えそうです。
どうしてもアメリカ陣営にいる日本においては、どうにかして中国がコケないか、という希望的観測でモノを見がちなところがあり、リアルなところが見えにくくなっているところが多分にあると思います。
モチロンこの本も中国人が書いていることもあり、1から10まで真に受けるべきではないのかもしれませんが、コトバ半分に聞いたとしても、この本で紹介されている企業は、かつての日本やアメリカの企業が実現してきたようなような“イノベーション”を経て台頭してきており、各国間の垣根が著しく下がった現在のグローバルビジネスに場においては、世界を席巻したとしてもあまり不思議ではなくて、日本も、政界はともかく、経済界におけるアメリカ追従一辺倒のビジネスモデルは、最早潮時なのかも知れません。