私物化される国家/中野晃一

 

私物化される国家 支配と服従の日本政治 (角川新書)

私物化される国家 支配と服従の日本政治 (角川新書)

 

 

 安倍政権による「国家の私物化」を糾弾された本です。

 この本を書かれたのは上智大学のセンセイなのですが、これまでもかなり安倍政権に対するキビシイ意見を出し続けられてきて、かなりタイトに政権からマークされているようです。

 この本では安倍政権をトランプ政権のアメリカや金正恩政権の北朝鮮になぞらえており、逆にそれくらい「独裁的」な側面を見せているということで、その政治的な思想や手法に迫られます。

 政治的な思想としては、おじいさんである岸信介に大きな影響を受けているということで、保守反動的な思想が色濃いということです。

 かなり強引な手法ですが、民主党政権が大きく国民の期待を裏切ったこともあり、民主党政権時に積もり積もった官僚の不満も相まって、うまくそこにつけこんだというところがあり、官僚やマスコミも含めてすっかり“安倍の犬”と成り下がってしまって、独裁体制は安泰のようです。

 ワタクシを含めて「おともだち」ばかりが得をする状況にモヤモヤする人がいる一方、経済の小康状態のためにはそこに目をつぶろうという人もいるワケですが、でもそうしていると国民ごとアメリカに「売られ」かねないことにも目を向けないといけないのかも知れませんよ…