未来の年表2/河合雅司

 

 

 少子高齢化がの日本にもたらす衝撃のインパクトを紹介してベストセラーとなった『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)』の続編です。

 正編では少子高齢化の進展の状況を中心に紹介されていましたが、続編では少子高齢化が具体的にワタクシたちの生活にどのような影響を及ぼすかということについて、様々なシーンにおいて紹介されています。

 現在の日本の社会システムは大多数の人がサポートなしに自律的に行動できることを前提としてデザインされているため、多数の人が利用にサポートを要するような状況になると運営が破たんしてしまいかねないとのことです。

 例えば、バスの乗降に多数の人が介助を求めるようになれば、ただでさえアヤシいバスの定時運行が破たんしてしまい、公共交通サービス網の維持が難しくなるようです。

 また貧困に陥った高齢者が刑務所に入るために犯罪を犯し、さながら刑務所が高齢者の介護施設と化してしまうなど、半ばギャグさながらのトピックもありますが、マジメに考えると恐ろしい限りです。

 前作でもそういった少子高齢化社会に備えるために「戦略的に縮む」ことを提唱されていましたが、それを実践するための内容として、

 【個人ができること】
  1. 働けるうちは働く
  2. 1人で2つ以上の仕事をこなす
  3. 家の中をコンパクト化する
 【女性ができること】
  4. ライフプランを描く
  5. 年金受給開始年齢を繰り下げ、起業する
 【企業ができること】
  6. 全国転勤をなくす
  7. テレワークを拡大する
 【地域ができること】
  8. 商店街は時おり開く

を挙げられています。

 安倍政権で少子高齢化対策が講じられてはいるものの、河合さんによると的外れな施策が多いとのことで、しっかりと個人レベルでの対策が必要なようです。