政権奪取論/橋下徹

 

政権奪取論 強い野党の作り方 (朝日新書)

政権奪取論 強い野党の作り方 (朝日新書)

 

 

 かつて日本維新の会を率いた橋下さんが昨今の野党の体たらくに強烈なカツを入れられます。

 “モリ”“カケ”や厚労省の統計の問題など、以前であればとっくに政権が吹っ飛んでいるような不祥事を連発させながら、誰一人としてロクに責任をとることも無くやり過ごしているのは、野党がだらしなくて、安倍政権にナメられているからだと指摘されてます。

 このままでは日本の政治の危機だということで、野党のキチンと与党の監視機能を取り戻してもらうべく橋下さんのゲキが飛びます。

 そもそも野党は与党のやることに反対をするばかりで、自分たちがどのような国家を作りたいのかというグランドデザインを提示することもなく、そもそもそういうことを意識すらしていないのか、もっと言えば政権を担うということすら意識していないのか、ということで、野党ズレした現状を嘆かれます。

 そんな中で橋下さんが野党を強く求めるのは、何が何でも政権を取るんだという意欲と、それを支えるための組織づくりだということです。

 自民党はいろんな考えの人がいながらも、最終的に党の決定が下された後はキッチリとまとまるというところがあり、野党も細々とした政策の差異をあげつらって“野合”なんて非難をするんじゃなくて、そういうところを、少しは見習ってはどうかということをおっしゃいます。

 個人的にはあまりに強烈すぎる橋下さんのキャラを好きにはなれませんが、ご自身の日本維新の会での“失敗”を踏まえたゲキには迫力を感じました。