僕たちは14歳までに何を学んだか/藤原和博

 

 

 リクルート勤務を経て、民間出身では初めて公立中学の校長となったことで知られる藤原さんが、近年脚光を浴びる若手の論客4人とのインタビューと対談で構成された本です。

 その4人というのが、キングコングの西野さん、SHOWROOMの前田さん、DMMの亀山さん、そして堀江さんという豪華版で、こういう“突き抜けた”人たちが14歳の時にどういう「学び」があったのかを検証するといった主旨になっています。

 公立中学校で校長をされた後も様々なカタチで教育に携わっている藤原さんですが、一貫して「生きていく力」をどう養うかということを重視されていますが、基本的に学校では“一定の品質”の生徒が出来上がってくる一方、“突き抜けた”才能を育てることは意図していないということもあって、こういう人たちの“学び”をトレースすることで“突き抜け”方を検証できるのではないかということで、そのために藤原さんがこれまでの著書で再三おっしゃっている「ナナメの関係」を体験して「根拠のない自身」を手に入れることを指摘されています。

 特に学校で身に付けることを意図されている「頭の回転の速さ」≒「情報処理力」だけでなく、「ナナメの関係」を充実させることで、「アタマの柔らかさ」≒「情報編集力」を強化できるということで、そのことが“突き抜け”につながる可能性が高いようです。

 ただ、せっかく豪華なメンバーを集めているのに、インタビューのパートが短く、もうちょっと藤原さんとの丁々発止のやりとりを見たかったところですよね…