世界史の流れを「移民」を手掛かりに語ろうというのがこの本なのですが、なかなか“流れ”の本質的なところが見えやすくなっている気がします。
元々人類の起源であるアフリカから流れ流れて世界中に住むようになった人類なのですが、人類の発展そのものが「移民」としての歴史と言え、かなり人間の種としての本質的なところに流れ流れていくということがあるようです。
「移民」を行う根源的な理由としては食料の不足などの理由が挙げられますが、究極的な理由は未だよくわからないということで、やっぱり本能的なところがあるようですが、人類の歴史の中で移住から定住といった過程をたどっているように見えますが、実は移住と定住の繰り返しと言った側面もみたいです。
「移住」だけでなくかなり離れた場所間での交流についても語られますが、かなり限られた交通手段しかなかった時代でもかなり距離のある場所間での交流もあったようで、危険を冒してでも移住や交流をしようとしたエネルギーには感嘆するばかりです。