知っている人だけが勝つ仮想通貨の新ルール/小島寛明

 

知っている人だけが勝つ 仮想通貨の新ルール (講談社+α新書)

知っている人だけが勝つ 仮想通貨の新ルール (講談社+α新書)

 

 

 タイトルだけ見ると“仮想通貨で儲ける”ためのノウハウ本みたいな印象を受けますが、どっちかというと仮想通貨の出現から近未来の展望までを紹介した本だと思った方がいいかもしれません。

 

 この本を読んでいて意外だったのは、日本は仮想通貨大国とみられているということなのですが、まだまだ多くの日本人は仮想通貨に懐疑的な見方をする人が少ないんじゃないかと思われます。

 

 その大きな一因としてコインチェックの大量流出事件があると思うのですが、この本でも再三詳細に事件の経緯を紹介されています。

 元々仮想通貨は国家や大企業と言った管理主体が存在せず、個々の利用者間の信用で成り立っていたということなのですが、段々と利用者と流通量が増えるにしたがって、国家や大企業の“信用”を求める向きが増えた結果、そういった主体の管理下に発行されることが多くなっているようです。

 

 ただ元々の“使用者間の信用”をベースに成り立っている仕組みに根差していることもあって、そういった“信用”を逆手に取る悪意の使用者に対抗するための脆弱性はあり、そういったモノをいかに克服するかが今後の発展につながるようです。

 

 グローバルビジネスの媒介として、利便性では圧倒的なメリットのある仮想通貨について、早めにアレルギーをなくして置くことが重要になるかも知れませんよ!