没イチ/小谷みどり

 

没イチ パートナーを亡くしてからの生き方

没イチ パートナーを亡くしてからの生き方

 

 

 ご自身もご主人を亡くされた死生学の研究者の方が、配偶者を亡くして以降の過ごし方について紹介された本です。

 小谷さんは死生学をされていることもあって、ご主人を亡くされた当時に通われていた大学の社会人課程で、同じように配偶者を亡くされた人たちと、同じ境遇を語り合う「没イチ会」を結成し、この本はそのメンバーの体験談も紹介されています。

 小谷さん自身はご主人が突然亡くなられたことと、生前も単身赴任や海外出張などで不在の時期が長かったということもあって、死後7年経っても海外出張で不在といった感覚が抜けきらず、そういう意味でご主人の死を受け入れ切れていないとおっしゃられていて、家族が突然死に見舞われた家庭ではそういうケースが多いということです。

 この本では、そのまま引きこもってしまったり、うつ秒を発症したりと言った事例はあまり紹介されていませんが、当然そういうリスクもあり、普段はわざと忙しくして気を紛らわせていても、ふとしたキッカケで悲しみにとらわれることも多いようです。

 いずれにせよ、そういう悲しみの乗り越え方に“正解”は無さそうで、その後の人生を充実させていくしかないのかなぁ…とこの本を読んでいて感じます。

 ワタクシ自身、以前はこんなことを考えもしなかったのですが、自身がガンを発症したことと、そんなに重い病気ではないとはいうものの、最近ヨメが入院・手術することになったこともあって、どちらが先に逝くにせよ、そういったことをボチボチ想定しておかないといけないのかなぁ…と感じ始めているところです。