宮家さんの単行本で、こういったタイトルだと、AIの進化を受けての地政学をテーマにした本かと思いきや、この本は宮家さんが2016年から「週刊新潮」に執筆されている連載をまとめたものだということです。
ただ、冒頭の1章はAIが世界情勢にもたらす影響について言及されたモノになっており、日本ではAIの適用はビジネスの世界に限られていますが、諸外国ではかなり軍事面への活用の研究が進んでおり、今後の応用の研究の進展によっては、これまでの地政学を根底から覆す程のインパクトを及ぼすポテンシャルを秘めているということです。
さらには、トランプ大統領やBrExitに代表されるようなポピュリズムや排外主義の蔓延などといった「ダークサイド」の広がりや、トランプ大統領就任以降の中国との覇権争いといった、テーマごとに章立てされています。
オモシロかったのが、宮家さんが金正恩や文在寅、トランプ大統領といった首脳などに宛てた手紙という文章で、ビミョーなイヤミが効いて、分析的な内容だけではなく、ユーモアのセンスも上々のようです。