以前『じつは怖い外食』を紹介して、元々外食産業に従事されていた南さんが暴く外食産業の恐るべき実態に驚愕した次第ですが、その続編があると知って手に取ってみました。
前作はご自身の経験や人脈から得た情報を踏まえて書かれた内容だったのですが、今回は改めて実際に外食をされた上で取材をされて実態を探られています。
そんな中でヒドい実態を知りながら問題のある食品を実食するという修羅場をくぐられており、体調も崩されたりと、まえがきの中で「身を挺し」た取材だとおっしゃられています。
この本で取り上げられているのが、ハンバーガー、ドーナツ、カップラーメンなど元々アヤシいニオイのするジャンルが多いモノの前作同様かなり戦慄を覚える内容となっています。
前作でも再三強調されていましたが、外食で油を多用するものは、ロクに揚げ油を変えていないことが多く、基本的には食べるべきではないということが、この本でもクドい程強調されています。
またコストを下げるためのあの手この手はとても消費者のカラダのことを考えているとは思えず、食べモノなんですけど「工業製品」なんだということをおっしゃられているのが言い得て妙だと感じました。
一番許せないと思ったのが、ごま油製造の紹介で、真っ当なごま油を提供しようとしている業者を食品衛生法を阻むといったくだりで、食品衛生法自体が原材料の偽装を助長する機能を果たしているとすら思えてきます。
何にせよ、価格の安さや便利さは、安全・安心やおいしさとは基本的にはトレードオフの関係にあることを今一度キモに銘じておく必要があるということと、特に小さな子供のいる家庭では安全・安心のために支払うべきコストを支払わなければならないということを思い起こさせられます。