先入観はウソをつく/武田邦彦

 

 

 明石家さんまさんの『ホンマでっか!?TV』にも出演されているという資源材料工学の専門家が“先入観”の弊害と、そこから逃れてプレーンに物事を捉えられるようにするコツを紹介された本です。

 

 誰しもある程度の人生経験を重ねていくと、多かれ少なかれ“先入観”を持つことになり、それが物事の判断を効率化する側面はあるのですが、逆に“先入観”に拘泥するが故に判断を誤ってしまうリスクも多分にあるようです。

 

 そういった中である程度経験に基づく判断を活かしながらも、誤った判断を避けるために一旦“先入観”を脇において考えてみる「受け入れ箱」という考え方を紹介されています。

 

 結論を急ぐのではなく、一旦立ち止まって色んなパターンを考えてみるということで、思い込みを防ぐ有効な方法論だと思うのですが、あまりその方策を掘り下げるよりも、この本ではそういった“思い込み”をもたらす様々な要因を紹介することに重点を置かれているようです。

 

 特に日本人が引きずられがちな専門家の意見ということで、地震の予知や日本の財政破綻の危機など専門家が権威を背景にミスリードしている現象を、怒りと共に紹介されています。

 

 やはりそういった現象と言うのは、日本人が専門家が言っているからと深く考えずに鵜呑みにしてしまう傾向が故であり、一旦立ち止まって考えてみることで防げる誤選択は防げる部分はあるということなんでしょうね…

 

 最後に、TVでの共演もあるマツコ・デラックスさんとの対談もあるのですが、マツコさんってこういう固めのトピックにも自分のペースを大きく崩さずに対応できるってのがスゴいですよね!?