2010年から2015年までNHKの9時のニュース『ニュースウォッチ9』のキャスターを務められていて、安倍政権へのあまりの直言で官邸から圧力があったのか、NHK首脳部が忖度したのかで、キャスターを降板させられたと言われる大越さんの著書です。
以前、『ニュースウォッチ9』のキャスター降板後の著書である『もの言うキャスター』を紹介しましたが、この本はキャスター在任時の著書で、出版されたのが2012年ということで、東日本大震災の取材に関する内容が半分くらいを占めます。
この本が出版された時期は民主党政権で野田首相が就任する前後となりますが、震災時の菅首相のハチャメチャな対応ぶりを未だに蒸し返す安倍首相ですが、この本を読んでいて当時の対応を思い返すにつけ、あれだけ震災時の対応をディスっていながら、今の安倍政権のコロナ対応も大差がないなあ、と思うだけじゃなく、こんな有事であるにも関わらず、自分の都合の良い方向にコトを捻じ曲げようとしないだけ、まだマシなんじゃないかとすら思えます。
まあいずれにせよ、国家存亡の危機であった明治維新期の対応を除けば、歴代の日本の政権の有事対応の拙劣さは救い難いレベルにあることが改めて思い返されて、今回のコロナ禍では幸運にも、今のところ大惨事を辛うじて避けているように見えますが、いつそういう状況に陥らないか、不安でならなくなってしまいました。
って、あんまり本自体に深くコミットしない内容になってしまいました…