さらばアホノミクス/浜矩子

 

さらばアホノミクス 危機の真相

さらばアホノミクス 危機の真相

 

 

 アベノミクスを”アホノミクス”と呼んで、安倍政権の経済政策を舌鋒鋭く批判するエコノミストの浜さんが毎日新聞に連載されているコラムである『危機の真相』をまとめた本です。

 

 この本は2015年に出版されたのですが、2013年1月から2015年10月に掲載されたコラムが対象となっていて、その時期の経済にまつわる出来事をタイムリーに論評されたモノとなっています。

 

 当然、アベノミクスの批判も対象になるワケですが、そもそもアベノミクスを”アホノミクス”と呼んで、その政策を非難されてきたのは良く知られていますが、この本ではそもそもアベノミクスは経済政策の体すらなしていないと言われて、”ミクス”を付加する価値すらないとおっしゃいます。

 

 というのも、そもそも”経済政策”が何のためにあるかというと、国民の福祉を実現するための「均衡の回復」と「弱者救済」にあるということなのですが、第二次安倍政権の乱脈ぶり、特にコロナ禍への対応を見ていてもわかる通り、「国民福祉」なんてどこ吹く風で、閉店を要請していながら補償もしないということで「弱者救済」のカケラもないことがようやく一般市民にもわかってきたのですが、そのことを遅くとも2015年の時点ですでに指摘されていると言うワケです。

 

 かなり原理主義的なところがあって、浜さん自身のお考えも偏った部分があるのは否定できないのですが、いろはの”イ”にももとるような非人間的な政権には一瞬でも早く退場してほしいモノですね!?