10年後に食える仕事食えない仕事 AI、ロボット化で変わる職のカタチ/渡邊正裕

 

 

 今日紹介する本は、2012年にもこの本の著者である渡邉さんが同じメインタイトルで出版された本がある様なのですが、8年後に雇用を取り巻く環境の激変を受けて、再度同じタイトルで世に問われたようです。

 

 2月出版なんでコロナ禍は視野に入っていなくて、副題を見るとわかるように、AIとロボット(RPA)化の進展に伴う、今後の雇用環境の変化に関する展望を紹介されています。

 

 今後の雇用環境を展望する上で、「人間が強い-機械が強い」「知識集約的-技能集約的」の2軸でマトリックスを作成し、それぞれの象限に既存の職種を当てはめて、今後AIやRPAに代替されてしまうのか、今後も生き延びていけるモノなのかを解説されているのですが、

 

 ・人間が強い×知識集約的→デジタル・ケンタウロス

 ・人間が強い×技能集約的→職人プレミアム、手先ジョブ

 ・機械が強い×知識集約的→AI・ブロックチェーン失業

 ・機械が強い×技能集約的→ロボティクス失業

 

と分けられていて、「機械が強い」分野にあてはめられている職種は、既得権益や技術の進化などの停滞要因はあるものの長期的に見れば、AIやRPAに置き換えられてしまうモノだということなのですが、現在の日本の企業勤務の方の大半は「AI・ブロックチェーン失業」の象限に当てはまる職種に従事されているということで、エリートとされている金融機関勤務の方の大半もこの証言に含まれていて、早晩職を失うリスクが高いということです。

 

 そんな中で、「人間が強い」象限の2つに移行していく必要があるワケですが、その中でも「手先ジョブ」というのは、機械がニガテな手作業や、人件費を負担し続けるのと比較して機械化するためのコストが合わないような作業が残るということで、いずれにせよ、高収入は望めないということで、「デジタル・ケンタウロス」か「職人プレミアム」を目指すべきだということで、若年層には早くからスキルを積み上げて前者、逃げ切りを見据えるベテラン層には経験に磨きをかけた後者を勧められています。

 

 一応、AI本だと必ず触れられるベーシックインカムにも触れられてはいるのですが、”そんなものをアテにして、どうする!?”みたいなモードなんで、あんまりスコープには入っていません。

 

 ワタクシ自身50歳代をちょっと超えて、この本で言えば”逃げ切り”を模索する人たちに該当するのですが、ホントに大変な時代になりそうで、自分が無事逃げ切れるようにというを祈るのと、ムスメたちは無事生き抜いていけるんだろうかと途方に暮れるばかりです…