14歳からの社会学/宮台真司

 

 

 ひと頃、社会学と言うのはどういう学問なんだろう…と思って、社会学の入門的な本を立て続けに読んで、このブログでも紹介した時期がありましたが、結局、自分の中で明確なイメージを描くことができなかった気がします。

 

 で、この本を偶然見つけたので手に取ってみました。

 

 割と中高生向けの本って、カンタンすぎず複雑すぎずということで、本質的なところを端的に紹介してくれるモノが多いので、ある分野のキモみたいなところが分かり易い本が多いのと、社会学界が生んだ最大のスターで、若年層との交流も多い宮台さんが書かれる本ということで、勝手にハードルが上がります。

 

 まあ、結論から言うと、やっぱりあんまりわからないというのが正直なところで、確かに話としてはオモシロいのですが、これをもって中高生が社会学に興味が向くのかというのはよくわからないところです。

 

 内容としては、「行為期待主義」「規則功利主義」「期待水準」「願望水準」などの社会学の用語と思われるコトバと、ご自身の回顧的な内容と絡めて紹介されているのですが、そういう自身と社会とのかかわりと言うモノを突き詰めると、限りなく哲学に近づいて行っている気がして、ググってみたら、そういうギモンを抱く人は結構いるらしくて、そういう記述がいくつか見つかります。

 

 ただちょっとおもしろかったのが、恋愛経験値に関する記載で、かつては異性と交流することができないことが、恋愛経験値が低いとされていたのが、いくら多くの異性とセックスをしても、心底からの交流ができないという意味での経験値の低さという側面も出てきているというのが興味深かったですが、そういうのも"社会学"なんですかね!?

 

 ご自身が、小室直樹氏らに触発されて社会学を志すことになったことを紹介されていますが、そういったことがこの本をキッカケに、イマイチ実態のつかみ難い社会学に中高生をひきつけるといった現象が起こるんでしょうか…