スナックさいばら サバイバル篇/西原理恵子

 

 

 漫画家の西原理恵子さんがスナックのママに扮して、店に来られた女性の悩みにこたえるというカタチで読者の悩み相談をするというカタチの雑誌の連載をまとめた本で、実は文庫本としては、シリーズを5冊に再編していて、この本が最終巻だということです。

 

 この巻は離婚だとか不倫だとか、結構ディープなトピックが多くて、特にサイバラさん自身も、アルコール依存症のご主人からの6年間のDVの果てに離婚された体験を、回答の一環として語られます。

 

 あと、正月にダンナの実家に行った時のトピックも含めて感じたのは、最近では30~40歳代の女性の就業率がようやく半数を超えたという報道もありましたが、やはり未だに女性の置かれた立場はキビシいモノなんだなあ、ということで、「「いい嫁」とは「いい女中」ということでございます。」と指摘されています。

 

 そういう文脈が身に沁みついているからか、ダンナから理不尽な仕打ちを受けても、子供のためとか、世間体とかといったことで過度なガマンをしてしまう傾向が強いということで、サイバラさんが再三おっしゃっている、女性も自活できるだけの経済的な裏付けを持つべきだということで、いつでも離婚できるだということが大きな支えになることを指摘されています。

 

 ウチのヨメもムスメたちに、手に職を…と口を酸っぱくして言っていますが、そういうことを改めて再認識させられる内容でした。