大人はどうして働くの?/宮本恵理子

 

大人はどうして働くの? (日経Kids+)

大人はどうして働くの? (日経Kids+)

 

 

 『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』『続子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』『生きる力ってなんですか?』とシリーズで紹介して参りましたが、こちらもその一環ということで、編者がおおたとしまささんから宮本恵理子に変わっていますが、趣旨は同様のようです。

 

 で、結構オトナが子どもに聞かれると困る素朴な疑問シリーズですが、こちらが一番回答の内容がバラけるんじゃないかなぁ、と思いながら読み始めたのですが、意外と一貫しています。

 

 生活していくためという当然思い浮かぶべき意義があるのですが、それについて触れられている方はほとんどいらっしゃいません…(笑)

 

 やはり「やりがい」について触れられる方が多いのですが、「やりがい」の中身については語られる方それぞれで、非常に興味深い所です。

 

 そんな中でやはり一番多いのは、周囲の人の役に立つことが「やりがい」のひとつであると指摘されている方で、子どもが周りの人に何かをしてあげて、喜んでもらえた体験を大事にすることが、将来の働き方に及ぼす影響について触れられている方もいらっしゃいます。

 

 また、周囲の人がどうのこうのと言わずとも、ご自身の探求心を満たすということが、「やりがい」につながるというご意見もあって、結構多様なご意見が参考になります。

 

 池上彰さんが、「社会を成り立たせるため」に働くとおっしゃっているのが、言われてみれば当たり前なのですが、そういう観点に触れたことが無かったので、個人的には結構ササりました。

 

 まぁ、オトナにとっても、リタイア後とか、導入が取りざたされるベーシックインカムの絡みとか、働くことの意味を考え直す必要がある状況に直面するということもあり、子どもと一緒に働くことの意義を再考(ひょっとして、初めて!?(笑))してみる価値があるんじゃないでしょうか…