世界史を創ったビジネスモデル/野口悠紀雄

 

 

 かつて『「超」整理法』などの著書で一世を風靡された(まぁ、それも30年近く前の話なんで、覚えている人も少なくなっているかもしれませんが…)野口センセイが、ローマ帝国や、ポルトガル~スペイン~大英帝国の海洋国家群の国家戦略を”ビジネスモデル”という観点から語られ、さらにはAT&TIBMなどのITの創成期からGoogleに至るまでのIT企業のビジネスモデルと通じ合うところについて語られています。

 

 確かに、ローマ帝国にせよ、海洋国家群の帝国主義的な活動というのは、ある意味拡大戦略と、出先の経営という意味で、かなり現代の企業経営の戦略~オペレーションと通じ合うモノがあるんだなあ、ということをこの本を読んでいて思い起こさせられますが、そういうところって言われてみれば当たり前なところがあって、如何にして組織や人を動かすかということは共通のところなのかも知れません。

 

 これら3つに、一見脈絡はなさそうなのですが、精緻な戦略設計とオペレーションの連携というところでかなりの共通点が見られます。

 

 またこれらの興亡という意味でもかなり重なり合う部分があるようで、結局は一度上手く行った成功法則というモノに拘泥してしまうというのは、いくら歴史の教訓として学んでいたとしても、そこに陥ってしまうというのが皮肉だな、と感じます。

 

 昨日の出口さんの『歴史を活かす力』ではないですが、常にそういう足を掬われるような事例が無いのかということに目を凝らしていなければならないようですが、そういうネガティブな発想でもマズいんでしょうしねぇ…