神様のサービス/小宮一慶

 

 

 ひと頃は狂ったように著者ループモードになった小宮さんの著書をかなり久々に手に取ってみました。

 

 小宮さんはサービス業へのコンサルティングのご経験も豊富ということで、この本は主にサービス業における顧客満足についてのモノなのですが、多くの企業が”顧客第一主義”とか”お客様の目線で”ということは言われるのですが、結局はお題目に終わってしまうことが多いということで、如何にして顧客に満足してもらえるサービスを提供できるかということについて語られます。

 

 単純に言ってしまえば、提供する側の都合で考えるのではなく、お客さんの都合で考えるということなのですが、ついつい提供する側としては、目先の手間や、ちょっとしたコストを惜しんだりしがちです。

 

 ただ、そういう提供する側からすれば些細なことであっても、顧客の側からすれば不満が積み重なっていって、やがて多くの顧客はクレームを入れることすらせずに去って行き、提供する側は顧客減少の原因もわからないままジリ貧になっていくということです。

 

 だから常に、局面局面での判断が、自分たちの都合で考えていないか、どっちがお客さんに取って都合がいいかということを考え続けることが必要ですし、そういうかなり負荷のかかる行動が、長い目で見ると事業の繁栄につながるんだということを、経営層から会社全体に浸透させて、従業員全員がそういう行動をとるインセンティブを意識できるようにしなければ、なかなか顧客から見てもナットクできる「顧客第一主義」は成立しないということです。

 

 ただ、あまり多くないながらもそういう企業が存在し、そういう企業はかなりの好業績を残していることから、地味に丁寧にやっていきたいところですよね!?