キャラ立ち民俗学/みうらじゅん

 

キャラ立ち民俗学 (角川文庫)

キャラ立ち民俗学 (角川文庫)

 

 

 「マイブーム」や「ゆるキャラ」といったコトバを生み出し、様々なムーブメントを巻き起こしてきたみうらさんが、割とベタな風俗について語られた本です。

 

 「民俗学」とありますが、あとがきで民俗学の草分けである柳田国男にワビを入れているように、アカデミックな意味での民俗学とはあまり関係はないのかも知れませんが、割と性的なモノに結び付く習俗というのは、かなり重要な民俗学のテーマであるはずで、柳田国男が見たらそれなりに評価するんじゃないかと、個人的には感じます。

 

 特に冒頭の「宗教と性」というパートは、割と現在の日本人に取って宗教というのは、神聖というか穢れを排したイメージが強いと思うのですが、きっとそういうイメージって明治維新以降、もっというと戦後、高度成長期以降なんじゃないかと思えるのですが、ずっと以前の宗教というのは、布教の拡大ということもあって、かなり下世話に性的な表現を厭わなかったんじゃないかと思い返させられますし、そういう部分に人々が共感を感じていた部分が多々あったんじゃないかと思えます。

 

 みうらさんは仏像など宗教的なモノへの関心が強いことでも知られますが、だからこそ誤解を恐れずに、宗教と土着的なモノの結びつきを指摘で来たのかも知れないと感じました。