英語できますか?−究極の学習法−/井上一馬

英語できますか?―究極の学習法 (新潮選書)

英語できますか?―究極の学習法 (新潮選書)

 最近、どうやったら迂回せずに英語を習得できるのか、ということに興味があって、私の英語学習の原点とも言える本を10年ぶりくらいに引っ張り出してきて、フォトリしてみました。
 当時、TOEIC650点くらいで、せめて800点台くらいにしたいなあ、と思って手に取ったのがこの本です。

 当時は、この手の英語学習法の本ってのは、扇動的な、でも内容の薄い本が多くて、参考にする本に困ったのですが、この本の作者が、私が好んで読んでたボブグリーンの翻訳を多く手がけていた翻訳家で、非常に朴訥とした印象に好感を持って、当時一気に読んでしまいました。
 結構内容的にも感銘を受けて、この本の内容を参考に英語を勉強してきて、現在に至るということで、私のターニングポイントとなった一冊なのです。

 で、久々にこの本を手にとって、「英語の総合力を向上させるための方法を学ぶ」って言う目的でフォトリしてみました。

で、「迂回せずに英語を習得する方法」という観点で再読してみた結果、結構キツいなあ、というのが感想です。
 取っ掛かりのところは、アメリカ口語教本・初級用(最新改訂版)を使って、フレーズのやり取りを叩き込む、ということで、これに関しては、私自身も実践して、効果を実感しているところなのですが、そのあとのリスニングを、ドラマやニュース番組でしましょうとか、スピーキングでは独り言を英語で言ってみましょうとか、言ってることは分かるんですけど、なかなか続けにくい内容が多いなあ、と思いました。
 まあ、翻訳家になろうと思うくらいなら、これくらいのことはしないといけないのでしょうけど…

 その後、著者の井上一馬さんは、「英語できますか?」を冠にして、フレーズ集や教材をいろいろ出されていますが、どうも挫折しがちなその他大勢にとっては、継続しにくいモノが多いようで、シリーズ自体、現時点ではフェードアウトしつつあるようです。

 散々、悪口になってしまいましたが、私が英語学習に真剣に取り組み始めたキッカケになった本であり、「静かなモチベーション」をかきたてる良書だとは、思います。
 現時点では、絶版となっており入手困難ですが、Amazonの出品などはあるようですので、英語を習得しようと思っている人は、是非一読してみてください。