個人的なユニクロ主義/柳井正×糸井重里

ほぼ日ブックス#001 個人的なユニクロ主義

ほぼ日ブックス#001 個人的なユニクロ主義

 この本は、糸井氏が自分なりにビジネス書のあり方を考察した上で、こういう風なものが
あればいいのに、と言うことを踏まえて企画されたもののようです。
 その企画をする上で、第一回の対談相手として選ばれたのが、ユニクロの柳井氏だったと
いうわけです。
 この本が出た頃は、ユニクロがフリースを世に問うて、最初のブレイクを果たした頃で
ファーストリテイリングが新進の企業として注目を浴び始めた状況のようです。

 で、世のビジネス書に対して、結果論ばかりを述べているということが二人の共通意識に
あるようで、その過程というか成り立ちを省いて何の価値があるか、ということが底流に
ながれています。
 なもんで、8割方は柳井氏の生い立ちや学生の頃の過ごし方を話されており、柳井氏が
自堕落な学生時代を送っていたと言う意外な発見はあるものの、著名なビジネスパーソン
プロフィールと言う以上の内容ではなく、面白いのですが、ちょっとイラッとしながら
読んでいたのですが、この辺りの糸井氏の企画力はさすがですね。

 というのも、こういうつみあげをした上で、商売と言うかビジネス上の信念を述べられる
と、意外なほどの重みがありました。

 一世代前の本ですが、柳井氏自身のスタンスはあまり変わりが無いようですし、気軽に
読めて、最後にズシンとした教訓が効いて来ると言う意味で有意義な本ですので、図書館
かどこかで見かけたら、是非手にとって見てください。