メンタル・コーチング/織田淳太郎

 スポーツにおけるメンタルのケアについて、チームマネジメントの側面から
考察した本と言えるでしょうか。
 割と、スポーツにおけるメンタルのケアって、個々の選手について扱われる
傾向にあるのかな、と思いますが、個々の選手に対してにせよ、複数の選手を
対象にするにせよ、そのことがチームに及ぼす影響を扱った点で、稀有な本と
言えるんじゃないないかと思います。

 特に印象的だったのが、スター選手を抱えたチームのスター選手に対する
扱いがチーム全体に及ぼす影響についての記述です。
 確かに、抜きん出た選手がいることで、一見成果を上げやすくなるように
見えるのですが、その中心選手への取り扱いを間違うと、チーム全体のパフォ
ーマンスを著しく下げてしまう恐れがあるということを警告されています。

 反面、目だった選手がいないチームでも、うまく回れば想像もできない
パワーを発揮する例も提示されています。
 ただ、その例っていうのが、限りなく奇跡的な状況で発揮された、みたい
な記述が気にはなったのですけどね…