- 作者: 玉木正之,金子達仁
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 単行本
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ベテランのスポーツライターお二方による対談です。
タイトルは、日本がどうやれば勝てるのか、みたいな感じになっていますが、
どちらかというと、選手そのものよりも、スポーツを取り巻く環境に焦点を当てた
内容になっています。
特に、ある意味で権力を持っている人たちのスポーツへの対峙の姿勢について、
欧米と比較した場合の、オソマツさについて嘆かれているところが印象的です。
冒頭で金子氏が、サブプライム問題で会社の業績が悪化したことを理由に、
ホンダがF1から撤退したことにについて、やっぱりこの国でのスポーツの地位
は軽いんだなあ、と感じたということを書かれています。
それとの対比で、ボスニアで爆撃が行われていた最中に、選手がプレーする場所
を守らなければ、と命がけでピッチの管理をしていたグラウンドキーパーのエピソ
ードを取り上げられています。
あと、政治にしろ、マスコミにしろ、スポーツが自分たちに利益をもたらすこと
については、積極的に利用しようとする割に、スポーツに対して本質的な支援を
しないことについて、厳しく非難されています。
読んでいると、あまりの文化レベルの低さに暗澹たる気持ちになりますが、
こういう意識を持っている人がいるのだ、ということに望みを持って、自分も
そういう風に考えて行けたらと思っています。
いま、スポーツ界の震災への対峙の仕方を見ていて、なお感慨深い内容となった
ような気がします。