スポーツ解体新書/玉木正之

スポーツ解体新書

スポーツ解体新書

 先日紹介した、「ニッポンはどうすれば勝てるのか?」における、スポーツに
対するスタンスに共感を覚えて、早速、玉木さんの著書を手にとってみました。

 ただ、先日紹介した本が対談であったのに対して、この本がNHK教育テレビ
講座をベースにした本なんで、同一人物の著書とは思えない程、堅い印象の本
になっています。

 内容としては、日本人とスポーツの関わり方に関することを、いろんな側面
から取り上げられています。
 著者は、欧米の文化としてのスポーツを、明治時代の為政者が取り入れた際
に、軍国主義的な教練の一環として受けれたことが、現在に至るまで、スポーツ
における「歪んだ」イメージを形成する要因だとされています。
 あと、日本が儒教の影響を強く受けていることが、スポーツを軽視する傾向
をもたらしていることを指摘されています。

 あと、スポーツの捉え方において、ヨーロッパ的な観点とアメリカ的な観点
の違いについて取り上げられているのが印象的でした。
 その違いが、双方で盛んなスポーツの根底を流れる部分に大きな影響を及ぼ
しているという指摘に非常に感銘を受けました。