ポジティブ・シンキングの仕事術/川端大二

 こういうタイトルだと自己啓発書チックですが、内容的には
診断士の組織論的なものになります。
 診断士の試験からはリタイアしてしまったものの、相変わら
ず、こういう分野には興味があるので、タイトルからの判断的
には肩透かしを食らったものの、興味深く読めました。

 今までの日本企業だと、評価の手法が減点主義であったため
ダイナミックな戦略展開というものに欠けていた部分があった
ことが否めないことを指摘されています。

 同時に、経営ビジョンを明確にして、その実現に向かって社
員のモチベーションを高めていく、といった経営手法を取ろう
賭する場合、加点主義の人事評価と相性がいいようです。

 加点主義の内容の中でも、会社のビジョンと個々の社員の自
己実現の方向性とのリンクを重視して、自己実現に向けたチャ
レンジそのものが、加点につながる、そしてそれが更なるモチ
ベーションにつながり、ひいてはダイナミックな戦略展開に
つながり、最終的にはビジョンの実現につながるということだ
そうです。

 結構、教科書的で、人によっては読みにくい部分もあると
思うのですが、論理展開がすっきりしているので、個人的には
非常にわかりやすかったです。

 それにしても、この本の著者、人事院のお役人だった、と
言うのが、個人的には非常に驚きでした!