
- 作者: 茂木健一郎,田中洋,電通ニューロマーケティング研究会
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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脳科学者とマーケティングの専門家がそれぞれの立場から
マーケティングについて語り、その後、議論をするという
形をとっていて、さながら、マーケティングを受ける側と
実施する側のせめぎあい、という企画なんでしょう。
でも、結論から言うと、マーケティングの専門家の法は、
妙にアカデミックに閉じこもっていて、全く面白みがなか
ったので、ここでは茂木先生の部分のみを対象に語らせて
もらいます。
以前、茂木先生の本について、オーガナイズされていない
と言う趣旨で、結構こき下ろしたんですが、この本では
非常に理路整然と、欲望について語っています。
その上で、近年のマーケティングのトレンドと脳科学上
の整合性を語っておられます。
印象的だったのが、以前なら「記号」に反応する傾向が
あったのですが、茂木先生の言うクオリア、言ってみれば
全体としての佇まいに反応する傾向が強くなったようです。
あとは、あまりにも整然とした提示について、脳は拒否
的な反応を示すということです。
なかなか、マーケティングという問題に対して、的確に
応えていて、読み応えがありました。