明日のコミュニケーション/佐藤尚之

 さとなおの実名シリーズ第2弾です。
 といいながら、第1弾は、このブログでは紹介していなかったのね…

 で、この本は、ソーシャルメディアに関するものなのですが、具体的な
活用事例までは紹介されていないものの、ソーシャルメディア時代の消費者
行動モデルへの落とし込みにまで言及されており、具体的な活用に直接つな
がる内容になっていると思います。

 ソーシャルメディアにまつわる現象やその背景、なんちゃって活用事例を
紹介した本は結構ありますが、具体的な活用の方向性まで示している本は
今までお目にかかったことがありません。

 ここで紹介している消費者行動モデルというのが、従来の、AIDMA、AISAS
といった、Attention(注意喚起)から入っていたものが、ソーシャルメディア
の登場によって、Sympathize(共感する)から入る、SIPSという形になってき
ていることを提唱されています。
 なお、SIPSというのは、Sympathize(共感する)→Identify(確認する)→
Participate(参加する)→Share&Spread(共有&拡散する)で構成されてい
ます。
 
 さとなおさんは、ソーシャルメディアにおいては、SIPSの入り口である
「共感」がベースになっているとおっしゃっています。
 Facebookの「いいね!」を押すことで、積極的に共感を表明できるように
なったことで、クチコミの拡散が爆発的に早くなったことや、罵詈雑言を駆逐
する傾向にあることなどによって、ネット自体が企業にとって利用しやすい
プラットフォームになっているとおっしゃられています。

 今まで、何冊かのソーシャルメディアの本を、推奨に値するといいましたが、
この本に比べると視野が狭いなあ、と思わされるほど、深い考察に基づいて
いると感じました。