イチロー・インタビューズ／石田雄太

イチロー・インタヴューズ (文春新書)

　イチローがメジャーに行く直前から、2009年のシーズン終了までの間の
インタビューを集めたものです。

　中には、Numberなどで既読のものもあったのですが、こうやって時系列
的に集められることによって、そのときに感じていたであろうことが、
より明確に浮かび上がってきているような気がします。

　特に、巷に蔓延するイチロー本では、著者自身がインタビューするわけ
でもなく、インタビュー記事から拾い集めた発言を取り上げて、ああだこ
うだ、と的外れな分析をする本も散見されますが、この本の関しては、
そういうことに対しても、イチロー自身のフィードバックがきちんとなさ
れているので、妙に神格化された、「イチロー」ではなく、イチローの
役割を果たしている、「鈴木一朗」の姿もちゃんと描けているように感じ
ました。