激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ/坂口孝則

激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ 10円缶コーヒーでもなぜ利益が出せるのか?

激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ 10円缶コーヒーでもなぜ利益が出せるのか?

 『営業と詐欺のあいだ (幻冬舎新書)』や
会社の電気はいちいち消すな (光文社新書)』で
感心させられた坂口さんの本です。

 こういう価格の成り立ちを書いた本って言うのはよくあって、
一定の関心を惹くのですが、ある程度、経済学やプライシングの
理論をカジってしまうと、途端に興味が低下してしまう内容が
多いのですが、この本は、そういう理論的な背景を理解していて
も、まだ興味を掻き立ててくれます。

 言ってみれば、この本は経済学でいうCVP分析に基づいた内容
が大半を占めていて、経費のうちの固定費をどう考えるか、と
いうことについてさまざまな角度から、身近な実例を挙げながら、
なかなかスリリングに話題を展開して行きます。

 施設に関する費用や人件費など、商売をしていく上で、ある
程度の固定費は、当然必要なのですが、業績が好調だからと言っ
て、闇雲に固定費を増大して行くと、ほんの少しの販売不振が
命取りになったりするぞ、と警告されています。

 こういう理論的にしっかりしていながら、エンタメの色も損な
わないって凄いですね。