進化する強さ/クルム伊達公子

進化する強さ (一般書)

進化する強さ (一般書)

 アスリートが語る自己啓発本って、『自分管理術―チャンスに勝つ ピンチで負けない (幻冬舎文庫)』など、
結構昔から、ジャンルとしてはあったのですが、『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
の出版以降、『準備する力 夢を実現する逆算のマネジメント』や『負けない自分になるための32のリーダーの習慣
など、すっかりメジャーなジャンルとなった感があります。
 この本も、そういうふうにカテゴライズされるのかな、という感じです。

 内容としては、「強さ」と言うものについて、よくよく考えさせられる内容
になっています。
 26歳での衝撃の引退劇から、37歳での、これまた衝撃の復活劇までに彼女に
起こった変化―お互いを理解し合えるパートナーを得たことで、以前の現役時
にあった頑なな心境が和らぎ、こういうやり方もありなんだ、という柔軟さを
手に入れ、愛して止まなかったテニスと新しいキモチで向き合えたことで、
しなやかな「強さ」を手に入れれたことを語られています。

 今でも、頑固な側面と言うのは残っていると言われていますが、そういう自分
をどういう風にコントロールしていくか、ということを、最初の引退後から、
復帰して以後、これまでの経験の中で積み上げてこられたノウハウがふんだんに
語られています。

 でも、結局、この「強さ」と言うのが、立ち返るところを見出したところに
あるんだろうな、と思いました。

 『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』にインスパイア
されたんだろうな、とは思うのですが、スキルスキルしていないところがよかっ
たんじゃないかな、と思います。

 何か、閉塞感を感じている、彼女の同世代の人は、ブレイクスルーのきっかけ
になるかも知れませんよ。