運を超えた本当の強さ/桜井章一

運を超えた本当の強さ 自分を研ぎ澄ます56の法則

運を超えた本当の強さ 自分を研ぎ澄ます56の法則

 雀鬼桜井章一の著書です。
 今回は、何と羽生善治のインタビューに答えるという、なんとも贅沢な構成です。

 ということもあり、羽生さんの勝負師との交歓もあり、いつもだったらどこからかダレて
しまう傾向のある、桜井さんの本ですが、この本からは全編から「穏やかな殺気」が漂って
きます。

 桜井さんは、柔らかな動きということを再三、おっしゃっています。
 「柔らかな」というのは、「自然な」と言うこととも通じるようですが、人間が様々な
道具で利便性を享受するのと引き換えに、そういう本来の動きを失って、どこかぎこちなく
なっていることから、野性の状態と比べて、感覚が鈍っているんだといいます。

 桜井さんは、そういう野性の感覚に立ち返って、研ぎ澄まされた感覚を取り戻すことが
「本当の強さ」につながると言います。

 結構、今までも好んで桜井さんの本を読んできたのですが、この本が一番説得力が
ある、というか、何かストンと腑に落ちた、って感じです。