戦術リストランテ／西部謙司

戦術リストランテ

　戦術論で有名な西部さんのフットボーリスタ誌での連載をまとめた本です。

　編集者の質問に答える形になっているので、いつもの西部さんの本よりもラフな
感じで、割と読みやすくなっています。

　2006年からの連載なのですが、この本にはここ２，３年のネタが多く取り上げられて
いるので、革命的とも言えるグアルディオラのバルサのこともたっぷりと語られていま
す。

　意外だったのが、モウリーニョの戦術に対する、西部さんの好意的とまではいかない
までも、割と暖かく見守っているところです。
　バルサとの比較で、守備的なイメージを植え付けられている傾向が強いのですが、
モウリーニョのスゴイところは、戦術によって選手のモチベーションのスイッチの
入れ方が巧みな点を指摘されています。

　イメージとして、パスサッカーで括られるバルサとアーセナルの戦術的な相違点など
痒い所に手が届く内容で、非常に楽しめました。