- 作者: ヴァンサン・デュリュック,結城麻里
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/05
- メディア: 単行本
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2010年南アフリカW杯でのフランス代表の史上稀に見る醜態の裏側に迫った本です。
結局、当事者たちは、その真相を詳らかにすることはなかったようなのですが、この本を
読んでいると、確かに、その時はその時で重大な局面だったんでしょうが、あくまで1998年
以降の積み重ねの結果、そうなっただけであって、あんまりその事象自体には意味を見い出せ
なくなってしまいます。
てっきり、ドメネクって妙な監督とそれに寄生する協会の幹部連中の暗躍がこういう結果
になったんだと思ってたのですが、病巣はもっと広くはびこっているようです。
98年W杯優勝組と、その影響力の拡大を阻もうとする協会内の権力闘争、自分が好んだ
環境でプレーし、オイシイところだけを持っていきたい選手たち、そこに巣食う代理人たち
…そういった深い闇の中から、未だ抜けきれていないようです。
結局、2010年の総括をキッチリとやらずに、闇へ闇への葬り、清新なブランを監督に
担いで、頬っ被りをしたものの本質は変わらず、結局EURO2012でも同様のチーム崩壊を
招いてしまっています。
じゃあ、今度はコワモテのデシャンを持ってきたら、大丈夫なのか…
このまま98年組のご威光すら浪費して無に来てしまったら、フランス代表はどうなって
しまうのだろう…他人事ながら、薄ら寒い思いがしました。