すべてのマラソンランナーに伝えたいこと/瀬古利彦

すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

 瀬古さんが、ご自身の経験を踏まえてマラソンランナーにアドバイスを送る、
と言う本なはずなんですが、結構ご自身の回顧録っぽい内容になっています。

 それにしても、冒頭で、「若い読者の中には、私のことをご存知ない方も
いらっしゃると思います。」と言うことで、自己紹介をされているのですが、
当たり前ですが、ちょぴりショックでした…

 最近、テレビではジョークを連発されたりして、現役時代の修行僧のような
佇まいからは、未だに違和感を拭いきれないのですが、やっぱりその辺は、
現役時代の緊張感というか、競技への取り組みの真摯さから来ていたもんだった
んだなあ、と改めて感じさせられます。

 最近、箱根の弊害とか、練習量が多過ぎるとか、実業団中心の育成への批判
とか、あまり世界大会で勝てていないことから、批判を受けることの多いマラ
ソン界ですが、その辺は、結構かばっている感じです。

 ただ、何か競技への取り組みへの軽さを感じられているようで、ケニアの
台頭が続く中、もっと真摯な取り組みへ、叱咤激励をされています。

 それも、宗兄弟や中山竹通との壮絶な争いを繰り広げてきた瀬古さんなら
ではの、言葉の重みというものでしょうか…