ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら/木村康宏

ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら

ラーメン屋の看板娘が経営コンサルタントと手を組んだら

 まあ、タイトルまんまなんですが、以前、味が評判で行列もあったラーメン屋が、店主が
やる気を失って廃業寸前にまで追い込まれて、ふとしたきっかけで、経営コンサルタント
店の立て直しに関わって…と言う話です。

 単純なストーリーですが、ワタクシがラーメンが好きなこともあって、300頁あまりの
ボリュームがありますが、一気に読んでしまいました。

 以前、イタリアンレストランの立て直しを描いた、『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる (青春新書PLAYBOOKS)
を思い出したのですが、あちらが、割と新しいマーケティングのコンセプトを紹介している
のに対して、こちらの方は、結構オーソドックスなフレームワークをベースに店の立て直し
を描いています。

 その中で、大きな資本をバックにしたチェーン展開で、低価格だったり、プロモーション
や仕掛けにお金をかけた店だったり、逆に、小規模であるにも関わらずニッチなところを
狙った強豪に対して、品質の高さを如何にアピールして優位を築いていくか、ということ
が大きなテーマになっています。

 その中で、「品質の高さ」というのは、競争優位を築く上で大きな武器であると同時に、
逆に、弱点となりやすい、ということを指摘されています。
 どういうことかというと、「品質さえ高ければ分かってもらえる」と「品質の高さ」に
あぐらをかいて、「品質の高さ」を「知ってもらう」努力を怠りがちだということなのです。

 結構、スゴク美味しかったのに、あっという間に潰れてしまった店のことを思い出して
ちょっと切なかったのですが、それもあいまって、深く納得させられる内容でした。